paris-brest-paris Randonneurs 2019 2.Mortagne AP(117.5)からFougeres(306.1)
2.Mortagne AP(117.5)からFougeres(306.1)
モルターニュを出るとしばらく下った後、
真っ暗な中 遠くの風力発電の赤い光だけが見える。
そして、漆黒の闇へと続くランタンルージュ。
ブルターニュの風を受けて、間違いなく自分は憧れのparis-brest-parisを走っている。
画像を残すも綺麗に映る事はない。 たとえ写ったとしてもこの感動は、絶対に伝わらないだろう。
感動で心が震える。
これでこの感動ならゴールしたらボロ泣きだろうな。と少し不安をおぼえる。
だが、この瞬間もまた楽しい。
もう一つPBP中に感動したシーンがある。
どこの街だが覚えてもいないが、綺麗なブロンドロングヘアーのマダムが、静かに木陰からこちらを見ている。
これだけでも心を揺らす風景だが、続きがまだある。
次の日もしくは2日後に復路で同じ場所を通った時に また静かに参加者を見守っているのだ。
特に声援はないのだが、それとは比例しない気持ちが伝わってきた。
フランスにおける自転車愛を感じると共に ゆったりと流れるサマーバカンスの時間を羨ましく思った。
大プロトンに乗って気持ちよく夜の街をいくつも超えていく。
途中、変形交差点で右に曲がるヘアピンで先頭がロストしたがすぐにetrexを見る間もなく復帰した。
中には、新しい舗装もあって気持ち良く順調に距離を伸ばしていく。
途中の町には、さまざまなディスプレイがあってエントラントを楽しませてくれる。
この雰囲気もまたparis-brest-parisだ。
街にあるバーやレストランの前にもテンションの高い現地の人(酔っ払いともいう)が”アレ!!アレ!!(Allez allez!)”と応援してくれる。
もちろん夜中でも私設PCがあって、本当にありがたい。
装備を整えるついでにマダム水を頂いた。
自宅前のPCは、簡素なところも多い。
自車の速度を表示してくれる看板が町の入口にたまにあって、クルマ用のものだが自転車もきちんと表示してくれるものがあった。
パリに向かう途中にもあったが、ロードで最高速アタックしている人がいるだろうなと想像する。
また、夜の静かな街を進む。
コースのほとんどは暗闇の畑だ。
何度か夜の街を通り過ぎ、気が付くと大きな町に入る。
そして、インターネットで何度も見たゲートのある景色。
Villaines LJ pc1
(3:59) 216.4km 10:25 (57min) (計測は出口で行っていたので到着は3:02)
(現地時間)距離 タイム(滞在時間)
すぐにバイクを止めて、明かりに照らされた階段を上る。
蛇口が見えたのでとりあえず水を補給し、テントから建物の中へ。
自分は、PCではトートバックを持ち、ボトル等を入れて歩いた。
落し物なく、ロスなくPCを回る為だ。
216キロ走ってようやくpc1だが、2018襟裳1000では300km超えだったので北海道のブルベもすごい。
コントロールで一つ目のスタンプをいただく。
日の出までは、まだ3時間ほどあるし、クローズまでは4時間ほどある。
すぐ出発するつもりだったが、寒さから暖かい飲み物が欲しくなりバーの列に並ぶことにした。
食べ物よりも飲み物。
メニューを読むも良くわからないので、直観で指さしして頼んでみた。
出てきたのがこれである。
普段コーヒーは飲まないのでカフェインも摂りたくなかったが仕方ない。
選択の自由など無いのだ。
レジの列に並ぶ間に パンが採れたので2つほど頂く。きっと職人さんが朝早くから焼いてくれたに違いない。ありがたいとホントに思う。
トラディショナルなアップルパイ(箱入り)とショーソン・オ・ポム(つまりアップルパイ)まさかのリンゴ被りである。
味はバターたっぷりでサクサク、本当に美味しかった。
帰国して知った事だがブルターニュの名産は林檎で、それから作られるシードルもまた名産とのこと。
どおりで美味いはずである。
フランスのパンは、何を食べてもほんとに旨かった。
食べていると(いや先に座っていたような気も)DODDYさんが、来て談笑。(自分は後ろを走っている事が多いので)ブルベでは会ったのはこれが初めてで、これもPBPが紡いでくれた縁だ。
彼ともまたこの後会うことは無かった。笑
DODDYさんは、先を急ぐとのことで画像を撮って出発していった。
今となっては記憶が曖昧だが画像を見ると当時の事を思い出す。
記録はとっておくべきだ、と再認識。
外に出るとまだ暗く寒かったが、食べて発熱したので耐えられない寒さではない。ユニクロダウンを追加してリスタート。(今見るとクローズは7:58で3時間ほどの貯金だった)
冷えた時は、油を取ると熱産生してくれる。
(3:59)
PCのゲートを出る時にアメリカのランドヌーズと寒いねと会話する。
金髪の女の人に声をかけられるのは、なかなか緊張するものである。
だが、とても嬉しい。後に再会して少し一緒に走ったけど、”Villaines で会ったわよね”と言われて思い出す。
印象に残ったんだろうか?
つたない英語に付き合ってくれて嬉しかった。これもまた、PBPならではの楽しみである。
若返りの秘訣は、こういう時に出るドーパミンではないだろうか?と思う事がある。 眠気も飛ぶ!
少し走ると後ろにあたる東から、うっすらと白み始める。
この時間を愛するランドヌールは多いのではないだろうか?
また、眠る街を進むのもまた雰囲気があって良い。
記念すべき、1回目の朝を迎えようとしている。焼き付けるように何度も振り返りシャッターを切った。
こちらの日の出は朝7時過ぎだ。
278km地点(レヴァレ Lévaré)街に入るとBARがあったので水の補給に寄ってみる。
コーラとパンオショコラを頂き、ボトルに水道水を入れてもらう。
コーラが美味い!
お礼に折り紙のツルを置いてきた。喜んでもらえたようでなにより。
トイレを借りてリスタート。
すぐ向いにあったのはコンビニだったらしい。バイクが沢山止まっている。自分はまだ手持ちがあるのでスルー。
今回は、セイコマのどら焼きを密輸してきた。黒ゴマと栗あんが美味い。
(千歳のセキュリティゲート前に忘れ3回もセキュリティを受けるハメになった)
道外ランドヌールにおいては、来道時に試されたし!大福もオススメ。
フランスにはセイコマが無い。
これが完走率が低い一因である。(マジ)
また気持ち良い道を進んでいく。
簡単な言葉で恐縮だが、ひたすら気持ち良い。
フランスは、本当に自転車乗りにとって天国だ。
眠気もなく体も軽い。
コレは快調ってやつだ。ブルベ中にこの感覚を味わえるのは幸せな事だ。
大きな町が見えてきて珍しく急こう配の下りを下る。
町中で70キロ近いスピードが出てビビる。
右にはマックが見えたが、止まれるはずもなく通り過ぎる。
途中では、寄りたいので、ある程度は場所をしらべてある。
その先は、ランドアバウトではないが、左に曲がらないといけないので止まらないといけなかった。
フランスでは、下った先が交差点は少ない。
そもそも街も交差点も少ない。
登った分きちんと、位置エネルギーがタイムに反映される気がする。
市街地を進み鉄路を潜ったりしてFougeresのPC2に到着。
Fougeres pc2
(9:11)306.1km 15:38 (42min)
なによりも先にコントロールでスタンプをもらう。
コレをしないと忘れそうで怖い。
そのままバーでコーラ(350ml)を2本買う。空のボトルにチャージして残りを胃袋へ。
とりあえずトイレへ行くと、そこはシャワールームだった。(何を言っているんだ自分??)
入口の横にあるトイレは、2個室しかなく行列だったので、水を補給しレストラン棟へバイクで移動する。
とりあえず、トイレに行ってレストランへ。先程よりレストランの列が伸びている。少し並んだが、時間がモッタイナイ気がしたので並びやめる。
90時間のトップスタートなので、なるべく先に進んでボリュームゾーンから抜け出したかった。何よりまだ手持ちの補給もある。
バイクに戻り、パッキングし直していると、家族のサポートをしている奥様とゴロンしている可愛い犬2匹(ロットワイラー?)が居た。
”もふ”りたい気持ちを抑えて、出発の準備をする。
今思えば、惜しい事をした気もする。
その時の様子がこの動画44秒辺りに自分が居る。
まわりには、芝生の上に転がるランドヌールが、たくさん。
日差しが気持ちよく、丁度良い気温になりつつあるのでとても気持ちが良さそうだ。
とりあえず、街が大きいので何か食べようと思いFougeresのPCを出発する。
いつだって食欲を満たすのが大切!
(9:53)