paris-brest-paris Randonneurs 2019 9.Tinteniac (868)から Fougeres(923)
9.Tinteniac (868)から Fougeres(923)
この日も、ひたすらオンタイムに戻すことを考えて頑張るのみ。
借金生活は、つらいぜ。
にぎやかなタンテニアックを出発。
Tinteniac(11:12)
今日は日差しも強いので暑くなりそうだ。
街を出て気持ち良い田園地帯をすすむ。
郊外の舗装の荒い所を走っているときに
”シュバッ!!”
といい音。
同時に振動が来て何が起こったのかすぐさま察する。
パンクだ。
近くに大きな木があったので、そこの日陰に移動し、後続を見送った。
ロングを走るとパンクは織り込み済みなのだが、大概、起こるのは時間に追われている時だ。
逆に織り込みずみだからこそ、パンクしてもいいかと、思ってしまう。
やはり、駄目だったか。
ブレストのエア補充が過剰だったのかもしれない。
穴の大きさ的にシーラントで済ませるか?少し迷ったのだが、900キロしか走れなかったのは、やはり判断ミスだ。
ここまで持てば、感謝しなければならないだろう。
リヤタイヤは、新品に交換して渡仏したが、フロントはPBPが終わって確認したらケーシングが出ていた。
パンクしたのは、やはりリヤタイヤで前日車検で大きく切れた個所だった。
自分は、RBCCチューブレスをドライで運用している。パンクの際は、穴の大きさによって、チューブを入れて帰るのか?バルブコアを外して、シーラントを投入して帰るのか都度見極めている。穴の大きさが4ミリくらいが境目だと思う。
今回は車検日にシーラントが入っているので、ぬたぬたのタイヤにチューブを入れるのを躊躇する。
ウルトラロングディスタンスでは、判断を誤る場面が多々ある。
振り返るとこの時もそうだったのかもしれない。
結局、手持ちのシーラントを投入してco2ボンベで修理完了とした。
一応、書いておくとパンク修理の基本は、確実に原因をつぶし完璧な状態で走り出す事だ。
なんだかよく解らないけど、新品のチューブを入れて走り出すと、間違いなく再発する。
穴の位置を下にして何度かバウンドさせるとエア漏れは止まり、走り出せる状態に。
画像でも解るとおり、エアを入れる時も穴の位置は下だ。上にすると空気だけ出ていく状態になってしまう。
シーラントは、勢いよく細い所を通るときに固まる。空気入れがある時は、エアーを無駄にしても問題ないが、CO2の時は致命傷になる。
今回は、海外という事で3本しか手持ちがない。
残りは2本だ。
確認しなかったが、PCのメカサービスで買えたのだろうか?
最小限のタイムロスで済んだのでリスタート。
ラ・ランド・ゴーティエアの街を過ぎて踏切。
PBPコースでは2つの踏切があるようだ。
踏切は、かなり荒れているので注意が必要だった。
PBPは総じて、舗装は綺麗だった。なかには、引いたばかりの舗装もあるくらいでPBPの為に新しくしたのでは?と思わせるほど。
積雪地の舗装はポットホールが多く、総じてボロい。
ツールド北海道の時に石北峠の荒れた区間が、舗装が引き直されたのでお金がイベントで投入されるのはよくある話なのではないだろうか?
解る人に言わせるとフランスの舗装は軽く、スピードが出やすいらしい。北海道は重いらしいが、確かにフランスの路面は軽かった。
ここでは、ドイツの方と少しパックしする。
お話して画像に残す。
最高に幸せな時間で、それが二人の表情に出ている。
やはり、極限で走っているし、90時間という濃密な時間を過ごすとたくさんの事が起こり過ぎてすべて記憶から抜け落ちてしまう。
ハンドル固定で動画をとる人も多い。
しかし、この視点で画像を残せるのは、やはりハンディカメラの良い所だ。
ウルトラロングライドする人は、良く特別視される。
しかし、ここでは誰しもが普通だ。6000人も居る。
この世界で中からみる風景は、普通の風景だ。
街のサイクリング大会と何も変わらない。
北海道でよくある風景がここにはある。(N度目)
そして牛に癒される。
そして、街に入り教会を眺めるルーティンに。
往路と同じ道を戻るのだが、逆からみる景色は違う。
この大きさだと一家に一台!フランスだと小さい部類だと思う。(個人の感想です)
途中、スーパーがあったので小休止。
entreeは、”入口”の意味。
暑くて仕方ないので、モンエナとアイスを物色。あとフルーツでビタミンを接種。
magnumのアイスがあったが4つ入りの箱しかない。
フランスはこのパターン多かった。
横に居たドイツの方に シェアを呼びかける。
”こんなにロング走ってるんだから、4つくらいイケるよ!!”
って言われてしまった。やはりボディサイズが違う。
この時は、そこまで欲してなかっただろう。なら要らない。の気持ちになる。
あきらめて、ネクタリンを量り売りで買う。ココは、レジで重さを測ってくれた。
モンエナは500mlサイズだ!
桃を食べていると、先ほどのドイツの方からアイスをプレゼントされる。
この年になってアイス貰って喜ぶなんて。
最高に嬉しい。笑
PBPを走った日本人はたくさんいるだろうけど、ドイツ人にアイスを奢ってもらった人はそうそう居ないだろう。
そしてもちろんおいしい。
もちろん本物のアイスクリームだ。
今考えれば、買って周りの人にあげればよかった訳だが。
ドイツの人は、プリンを食べていたが、これも4個入りでデカイ。
食べたかったが、4個も不要。しかも、持参のスプーンが無いと食べられない。
ビクトリノクスになぜスプーンが付いているのかよく解った気がした。
アイスを貰ったドイツ人にダンケシューンすると、余ったプラムをくれた。これは大根のようでイマイチ。外国のフルーツそのままの味だった。
色からして選らばないものだったし、何より不当に安かったのだ。
外国の人と友達になるのには、相手の国の言葉であいさつ位はできたほうが良い。
あからさまに反応が違う。
今回もスパシーバとダンケシューンは役立った!
ごちそうさま!
リフレッシュもできたので、リスタートする。
街を出てしばらくすると、いい感じのパックに抜かれたのでフォローする。
よくみると赤いジャージの人は、シャーマーズネックになっているようだ。
この空の素晴らしさよ!
どこかの街の教会
そうこうしているうちに フジェールの街に入る。
往路では、ブランジェリーでパンを食べたが、帰りは、寄る場所を決めていた。
そう!マックだ!!
フジェールは、コース上に2つのマックがあり、往路では下りの途中にあり一瞬で通り過ぎた。パリ側のは復路で寄るのか?確信が持てないので目に入ったブレスト側のマックに入る。
どことなくオシャレな雰囲気
キャメルサンデー付きでオーダーする。
バーガーの手前にあるのは、サンデー用のナッツ。
ハンバーガーは補給食に持っていく。
ブレストで買ったフィレオフィッシュも旨かったし、何よりたんぱく質が欲しい。
4ケタブルベは、胃袋力が必要だ。
さくさく 美味い。
1€は120円。ハンバーガーは、フィレオフィッシュの半額だ。
マックファーストってセットらしい。ポテトの種類も選べた記憶がある。
レシートを見ると 90分近くゆったり滞在。
フジェールは観光地だ。
フジェール城を横目で見ながらフジェールの中心街へ
北海道にはないドミノピザがあったり。
牛のオブジェがあったりする。
鼻の孔がキュート!
坂を下りて右に曲がれば、そこはPCだ。
Fougeres pc10
(15;47) 922.9km 70:13 (6min)
11時11分がクローズなので4時間36分の借金生活継続だ。
頑張った割には、たいして伸びないアベレージ。
緩い向かい風とひたすら繰り返されるアップダウンがその原因なのは、
身に染みてよく解る。
減らない借金。
あと残り300kmなのだが、このあたりから今日は寝れない疑惑が起き始める。
今見るとブレストからのアベレージ13km/h も切っていて
アップダウンと暑さと疲労で上がらないアベレージで苦しんでいる。
眠けがない事だけが、奇跡だ。
しっかり食べているのでスタンプを頂いて即リスタート。
まだまだ借金生活はつづく。
当面の目標はオンタイムに戻すこと。
燃え尽きても、絶対に完走して帰るという気持ちだけは失ってはいけない。