paris-brest-paris Randonneurs 2019 1.Rambouillet(0km) からMortagne AP(117.5km)
1.Rambouillet(0km) からMortagne AP(117.5km)
スタートの日 (2019/08/18)
目が覚めたのは11時近く。良く寝れた!
自分のスタートは17:30。同室の石井君は18時スタート、前日の夕食時に寝だめ作戦を話し合い、ひたすら寝ることにしたのは正解だったようだ。
とりあえず起きて、適当なものを食べる。その後、着替えてブルベの装備を整える。前日の天気予報だとスタートの時間まで雨だったが、14時くらいまで雨に変わっていた。
これは、ドライでスタートかもしれない。
前日のバイクチェックは、雨の中行われて寒い思いをしたのでドライスタートは嬉しい予報だ。あの気温で雨が降ると完走率は著しく下がるだろう。
外を見るとどんよりとした鉛色の空。しかし、雨は降っていない模様。早く行ってゆったりするプランはナシ!!ゆっくり準備を始めギリギリに到着するプランに。パッキングするも荷物が多く、いつもどおり四苦八苦する。そして、お気に入り18650ライトのキャップを探すも無い。
頑張って探したけど見つからずパリ観光サイクリングに行くのにキャップを外して何処かに置いた記憶があるのだが(この行動が既に変)。
お気に入りライトは結局置いていく事に。代わりにガシロン1600と18650のシングルを持っていく。バッテリーはすべて18650を使っているので問題ない。
いろいろしているとあっという間に16時近くになりホテルを出発する。
(16:00)
ホテル入口で他国(ヨーロッパだったような)のランドヌールと話して駅に向かう。
今回は、普通にラ・ビリエール駅に車道で向かう。
駅に着くとランブイエ行きの電車が行ったばかり!
なんとタイミングの悪い!時刻表をチェックすると
駅のホームで30分近く待ち時間があるようだ。
16:40過ぎでランブイエ着が17:12!
早くも、いつもどおりのギリギリ隊に。
スタート18分前に最寄駅入りっていつもどおりだな。
(17:12)
駅に着くとサクサク会場へ昨日は15分くらいで着いた会場への石畳の商店街を進む。ゲートをくぐって後ろを見ると石井君は、見当たらなかった。笑
心の中でグットラック!とつぶやき、敷地内から草原をダッシュしてスタートゲートのほうへ。ワクワクしてる時間は全くなし。いつおどおりのドタバタとしたスタートとなった。
逆に緊張している暇も無かったのでプラスに考えようではないか!
待つのはあまり得意ではない。
2019年は、ゼッケンに付いたチップでスタートとゴールタイムが管理されたようである。
既にスタートへの列は進んでいて90時間の一番初めのG組である事は間違いないはず。
ボランティアのムッシュにゼッケンを見せるとOKとのこと。
少し進むとテントがあり、ブルベカードに慣れない”ボンジュール”と”メルシー!”でスタートスタンプを頂きゆったりとスタート。
沿道には、たくさんの人達がスタートを見守ってくれている。お祭り気分でスタート!
更に進むとグリーンのスタートゲートが見えてくる。youtubeで見たやかましいアナウンスはなくicチップの読み込みだけが響く静かなスタートだった。いや、高ぶり過ぎて聞こえていなかったのかもしれない。
(17:33)0km
スタートのランブイエのフォトセッションがあったのでお祭りの雰囲気を是非!
未舗装の道は、場内のみ。牧場の門を出ると少しの石畳を経てキレイな並木道の舗装路にでた。
少し走ったところで何かが落ちる音。
後ろを振り向くも何か不明。他の参加者に”あなたのよ”と言われて戻ったら自分のコインケースだった。(前日にもジャムって苦労して巻直した)(いつもはクルマのキーが付いているが今回は宿に置いてきた)
直前に遭遇した同じG組の石間さんは、はるか先へ。わざわざ脚を使って追う気もしないのでまったりソロ進行する。
youtubeでみた並木の道をゆく。どうやら2015のコースに合流したようだ。並木の向こうには、広い丘が見え、気持ち良い道だった。
赤カメラ君の動画 8:30位からがその道。10:30位からも沿道の人達とハイタッチしてる様子が見る事が出来る。彼は後続を待つとのことで後ろへ下がっていった。風の音から風の強さを察して欲しい。雰囲気を味わってください。
今回のPBPは日本からもたくさんの人が参加してこのように動画やブログで走行レポートを公開してくれている。それを読むのもまた、楽しみである。
情報は多い方が良い。たくさん情報は、浴びよう。
ここまで来ると、アゲインストで進まない感覚を覚えた。予報では、ブレストまで西風で往路は厳しい戦いが予想される。
大集団の中に石間さん達が居たのでゆっくりとパスしていく。
90時間の一番初めのG組は、半分位は日本人だったのではないだろうか?
今回もおおざっぱに2パターンの計画(計画Aプラス5時間で進めばプラス90キロのモンサンミッシェルに寄る)だけ立てて、良く言えば臨機応変に走る。
(計画Zはブレストまで寝ないで辿り着き寝るというもの。やはり無理だった)
自分は究極の状況対応型でそちらの方が良い結果を招く。
追い込まれると高い出力も出さざるを得ないので、そんな状況にも対応出来る人向け。ブルベでの座右の銘は、〈借金してでも寝ろ、食え、楽しめ!〉
逆に目標設定型の人は、計画通りに進まないことが、ストレスになる。
自分がどちらのタイプか知る事は非常に重要である。
しばらく進むと赤camera君が追い付いてきた。今回も石間さん達と走るらしい。脚がそろえば羨ましいような??(一長一短である)しばらくおしゃべりしているとナオミさんが居たので、”ぼんじゅー”と挨拶しておいた。自分だと気が付くと笑っていたけど。リラックスできているようでなにより。
夕暮れの時間まではゆったりとサイクリングを楽しめる良い雰囲気だった。
街を通ると沿道には、人々が集い”アレアレ!”と声が掛かる。
街を出れば、延々と続くランドヌールの列。そして、空が広く壮大な風景。ブルターニュの向かい風を受けてすすむ。
ブルベはスタートが一番ワクワクして不安と期待が一杯になる。スタートを切ればあとはサクサクとタスクをこなしていくだけとなる。
異国の地でこのワクワクとお祭りの雰囲気を味わって満足してしまう人が多いのも納得できる。ゴールへの執念と折れない心は絶対に必要であると自分は思う。
インドの人と会話したりして、北海道のブルベにインドの人が来てたよ。なんて話もしてみた。(帰って来て知ったが、インドはタイを超えるくらいのブルベ大国だった)
緯度とサマータイムの関係で日没は22時近い。逆に日の出は7時過ぎ。何となく寒そうと思い重装備をしているが意外と暑く、気が付くとボトル2本が空になりそうだった。
こうなると何もない畑の中、不安になってしまう。
タイムロスが嫌だったが、仕方ない。スノンシュの街のコーナーを抜けると一台止まっているので自分も止まる。
水をくれ!!というと、、、
奥さんを呼んで家の中からペットボトルを持って来てくれたので、ボトルに半分ほど水を頂きリスタートするとすぐに大きな私設エイドが有った。
スノンシュの街のエイドらしい。
薄暗くなり始めていたので80キロ地点くらいだろうか?
マルトデキストリンのスペシャルドリンクを作り、セイコマのどら焼きを食べる。
飛行機の中で折った折り鶴をプレゼント。少しでも日本を感じてもらえたら嬉しい。
太陽が沈みかけているので、ここでグラスのレンズをクリアに交換してリスタートした。
あまり夕焼けの事は記憶にないけど、画像を見ると綺麗である。そして、時々遠くに見える登り坂がこれからのPBPの厳しい道のりを示していた。
時間は21時過ぎだろうか?
辺りがやや暗くなる頃に 後ろから声をかけられる。
石井君と再会!補給として持ってきたカマンベールチーズが重いとか、言ってたな。笑
なんか疲れてる様子。
まだ1/12も走ってないのに、先は長いぞ!
いきなりネガティヴワードが出てるけど大丈夫か??
佐伯さんは会ってないけど前に居るのでは?
と少し話をした。
タンパク質は重要だ!食べるから捨てるならばクレ!
とか言ってるうちに下り始め、ちょうど早いパックが左から抜いてきたので付いて行く。
自分でも集団で下り70近い速度で走るのは初めて。かなり長い下りに感じた。
もちろん下りでも集団の中で動き(後ろを確認して)左の中央車線よりを追い越しをかけていく。
緊張を感じる場面だった。
下り終わってライトアップされた教会の前を経てグニャグニャと街の中を回り、急坂を登っている頃に後ろを振り返ると居なかった。走るタイヤとホイールの差はこんなところで出る気がする。
彼も百戦錬磨なのでまた会えるだろう。サイツェン!
それからどの位走っただろうか??
街の中に反射ベストを着た人が、道の真ん中で右に曲がれと言っている。
ココは、一つ目のWP〈ウェルカムポイント〉Mortagne APだ。
Mortagne AP
(22:41)117.5km 5:08(15分)
(現地時間)距離 タイム(滞在時間)
自分は普段からあまり走行距離もスピードも見て走らない。
etrexの画面も消している。初見のワクワク感を楽しみたいならばお勧めの方法だ。
この方法のメリットは電池の持ちが良い事。
今回は、神様から頂いたリチウムイオン電池で電池は一回交換だった。〈切れる前にアラームが鳴る。その場にいないと、電池切れにも気が付かないのが欠点〉
なので基本、後何キロでpc、 みたいな走り方はしない。
走っていて気が付いたらpcに着いている。みたいな走り方が理想だと思う。
過去には、pcと通過チェックを間違えて焦った事も有る。
それもまたブルベ。
時に出会いのスパイスともなる。
距離詐欺や、クローズ時間詐欺もまたしかり。
早速、バイクを止めて回りを観察する。
六角形の白いテントでは、ソーセージが焼かれサンドウィッシュが売られていた。
今日は300キロ以上は手持ちの補給で走れるように持っている。
PCで時間を失いたくないからだ。
GETすべきは、水のみ。
PBPは、PCが広く歩かされるし、何をするにも並ぶ。どうやらpcの出口は、反対側らしい。とりあえず寒くなりつつあるので、シェルパンツだけを履きリスタートしよう。
歩いて行くと蛇口が見えたので水を足すためにバイクを止める。奥には広い駐輪場があるのが見えた。
フランスでは、看板の類は本当に少なかった。
人が少ないが、判らないならば人に聞け。みたいな風潮がある気がした。
実際聞いた方が答えに早くたどり着く。フランス人的にはデカイコンビニの看板とかは、ナンセンスなんだろう。
同じような理由だと思うが田舎に行っても洗濯物を干す風景は見たことがなかった。帰ってきて調べると乾燥機使用が当たり前だった。エネルギーについてもおおらかなのかもしれない。
水を汲み終わって歩いてたら、バイクを押している佐伯さん達に声を掛けられる。少し会話して写真を撮る。
”自分もすぐに出るので追いつくよ!”
と言って別れ、バイクに戻り準備してリスタートした。
日没して間もないのでまだ温かいが、先を見越して防寒装備を付けて走る。
二人を追いかけたが、暗く注意深くパスしていくが見つからない。
相変わらずハイパワーな人だ。どんだけ飛ばしてるんだろう?
ちなみにコース上で会ったのはコレが最後だ。
結局、彼とはゴールまで会う事は無かった。笑
彼は彼のスタイルで同じくPBPを戦っていた。
これでようやく1/10が終わった。
先は長い。
暗い中、先を急ぐ。