Blanc upas vélo équipe ​

ブルベを走っているときに感じる「ロングライドとグルメの相性の良さ」。ランドヌールやランドヌーズと時間を共有する心地よさ。Blanc upas vélo équipe ​ は、この「心地よさ」を共有できる世界で唯一のフィクションクラブだ。

paris-brest-paris Randonneurs 2019 10. Fougeres(923) から Villaines LJ(1011.8)

10. Fougeres(923) から Villaines LJ(1011.8)

 

 

 

Fougeres pc10 (15:53)

 

まだまだ続く借金生活。

昨日の自分を呪いたい。

 

と思うもアフター ザ カーニバル!

 

 

しかし、天気も良く眠くもない!!

 

 

ライドは、この位楽しくないと!

こうじゃないとイケナイ!!

 

 

ブルベで苦行自慢している(自分も稀にするが)人を見ると、可哀想にと思ってしまう。

 QOB(quality of brevet)は、自分で上げるしかない。

 

こうして走っていると認定など要らないので楽しくサイクリングしたいという気持ちが芽生えてくるのもよく解る気がする。

 

 

 

天気もよく暖かく、そしてフランス。

 

苦しいライドをする理由など一つも無いのだ。

 

 

 

たった一つの理由を除いては

 

ただ一つ、paris-brest-parisの認定にこだわるのか?そうではないのか?

 

 

  

  

認定に届かなかった場合、

足りないものを足して、次回は楽しめるようにリトライするだけだ。

 

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こうなるとなるべく明るいうちに距離を稼ぎたい。

 

しかし、上がらないアベレージに苦しむ一日はまだまだ続く。

  

 

 

 

 

足早にフジェールの街を脱出する。

復路でもやはり信号は少なく10なかったと思う。

 

 

 

 

今回のPBPでは、こんなツイタが流れていた。

 

 

 

 今回、TLで話題になっていたこの画像。私は、リアルタイムでフランスで見ていたのだが、、、

 

それを達成したのがこのお方。

 

昔の宗谷600でちょっとパックしたのだが、その後旭山動物園にもミスコースしたとか?謎

 

 

 

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負荷が足りないのか?背中には水をた4L?だか背負っていて、ゴール後はラルプ デュエズ(L'Alpe-d'Huez)にサイクリングに行くという。

 

少しの距離パックすることができた。楽しんで走っているようで、なによりだ。

私設PC巡りが楽しいとの事。

 

解る!わかるよ!自分も、もっと寄りたい人生だった。 

 

久しぶりの再会だったが相変わらずの人外っぷりだ。

横に長い静岡県民はみんな強い。謎

 

 彼とは、少しパックしたが、自分は先を急ぐことに。

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出発前に日本で話題になっていた。壮大なミスコース。

途中でモンサンミッシェルに寄り道して観光しようというもの。

90キロ余計に走れば、モンサンを拝む事が可能になる。

 

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 モンサンは、パリから遠いので夜のモンサンや朝一モンサンを楽しむならば、周辺に泊まらないといけない。(という予備知識は持っていた)

 

自分も少し考えていたが、考えるだけならだれにでもできるのだ。

 実現は困難だ。

 

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 アンブリエール=レ=ヴァレー での下り

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自分は、タイムはどうでもよく。

 

レースでもTTでもないブルベをより楽しいを基準にして走っている。

より楽しいを求めて、よりツライ思いをすることもあるのだが、それもまたブルベ。

 

 こんな楽しい900キロを自分は走った事が無かった。

 

 

暗くなるまでは、まだ5.6時間はありそうだ。

 

 

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 アンブリエール=レ=ヴァレー への下り

 

 

今回は、いつも通り寝すぎてしまいひたすら借金を返す。

日本のブルベだとタイムアウトで即DNF決定だが、PBPはルーズで寛大なのだ。

公式文章にも3つ先のPCまでにオンタイムに戻せば良いと書いてある。

フランスの国民性を表しているとも言える。

 

もう眠い時は、借金しても寝ろ!なのである。 

自分の完走タイムが、10時間早くても誰も褒めてくれない。(と私は思っている)

ブルベの楽しみ方は、ひとそれぞれ。

ヨーロッパでは、90時間には女子のアテンドする人以外は、ほとんどエントリーしないとの事。 

 

個人的には、ブルベなんだから認定に拘って走って欲しいと思う。

個人でサイクリングしているのと変わらないのでは?

 

ただ、ひたすらに自分の欲を満たすのみ。

 

 

 

 

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ちから強い走り!

女の人は、パックして走っているのが多かった印象。

 

ここでは、女も男も関係ない。

 

 

 

974キロ地点のアンブリエール=レ=ヴァレー 

 

河川丘陵を下りて赤い橋を わたり、その後すぐ登るクランクな街。

オレンジの看板のレストランがあるところだ。

 

 

各レポートを見ても、この街が印象に残っている人が多い模様。

 

 

自分は混んでいるレストランを避けて登り途中で左側のガレージへ!

 

 

 

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ここでは、いろいろフルーツや飲み物を頂いた。コーラは、私設エイド以外で手に入るのは稀で、ボトルに満タンにしていただく。

 ここは、ご覧のとおりカンパボックスがあった。

 

 

お店に入って清算するよりも時短になるのもありがたいポイント。

 重たい€硬貨を全て置いてくる。

軽量化!

 

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お礼に折鶴を渡して写真を撮る。

 

 

 

 

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個人のガレージを開放してくれているのは、本当にありがたい。

 

 

奥には ベッドマットもあり 眠れそうな環境だ。

 

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きっと、この4年に一度のお祭りを楽しんでいるのだろう。

世界の人が自分の家の前を通っていく。

そんな環境を楽しんでいるように思えた。

そんな彼らは、カメラを向けると良い笑顔をしてくれる。

 

はじめは、”メルシー!(Merci)” と答えていた。ふと、teenたちが、参加者のプレートを見て その国の言葉を掛けていた。

日本は、アリガトー!!だった気がする。

 

それでピンと来た! 彼らは、フランスという国に誇りを持っているが世界の人が来るイベントなのだから、世界に触れた方がより刺激になるのではないだろうか?

折り鶴を 手にする笑顔をみて確信した。

 

北海道で農家しているような人だと、フランス語で話し掛けられる機会などないだろう。

 

バカンス時期には、楽しいイベントなのだと思う。

 

 

 

お礼を伝えて リスタートしようと外に出る。

 

 

 

 

そこには、ダンシングして登っていく石井君の姿があった。

4桁ブルベの3日目にあの走り!?

 

 

80時間組とパックしていた。

 

声を掛ける!!

しかし聞こえなかった様子、しかし元気だ。

 

この調子だと余裕で完走できそうだ。

この時はそう思った。 

 

 

 リスタートしてしばらく走るとまた見慣れた景色になる。

 

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次の町で、石井君を発見した。

スーパーの前で水分補給中だった。

 

真横になってから、声掛けしたので気が付かれず。止まれず。

 

 ま、後で会うでしょう。(この時はそう思ったが、、、)

 

 

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 やはり、どこかで見たような景色。

 

PBPを走り慣れている人から聞く

 

”景色に飽きる”

 

とはこの事なんだろう。

 

 

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素敵な景色にご機嫌になると、そんなことはどうでも良く。

 

 

自分が、未経験の1200ブルベ中なんて事は、すっかり忘れてしまう。

 

 

異国の初めて見る景色のライドは、非常に楽しく心地よい。

 

 

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整備工場のコレクション

 

 

 

 

 

ふと、リヤタイヤが柔らかい事に気がつく。

シーラントの落ち着きが悪く、リークしているようだ。

フジェールでシーラントを足して、タンテニアックで暴発。

6時間でこれか、、、

 

足したシーラントは、中身が液体だけのもので、どうやらこのままではマズイ予感。

特に下りがヨレて不安だ。

 

もう少しでPCなので、このまま行きたいところ。

いざとなれば、手持ちのスペアタイアはある。

 

祈る気持ちで進む。

 

 

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青い矢印が、parisになっている。
 

 

f:id:Blanc-upas:20201026113239j:plainマイヨジョーヌ! 

 

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984キロ地点で、ゴツゴツとした地面の感触がこちらに伝わってきて、エアが限界なのを悟る。

今見ると アンブリエール=レ=ヴァレーからわずか10キロの地点だった。

 

そこには家の前で応援するファミリーの姿があった。

 

 

すかさず、声を掛ける!

”ギブミー ポンプ!!”

 

 

www.google.com

 

 

 自転車大国フランスならばポンプ位すぐあるだろうと予想した。

残るco2ボンベはあと2本。こんなところで減らすわけには行かないのだ。

 

この空気の抜け具合ならば、次のPCビレンヌまでは走れるだろうと予想して。(今見ると25キロしかない)

 

家の方に走っていくムッシュ! 

 

そして付いていく私。

 

 

入口に農場らしき看板があったのだが、うまく撮れていなかった。

google mapで見ても個人のおうちらしい。

 

 

奥の物置に探しに行ってくれたムッシュの手には、骨董品レベルのおもちゃのようなポンプが握りしめられていた。

 

 

んー!? 

声にならないというのは、こういう事。

 

筒の太さはコーラの缶ほどで、バルブは米式だった。高さは、傘くらい。雰囲気は骨とう品。

 

これは、クルマ用のものだ。(低圧だとok)

 

お礼を言ってとりあえず受け取り、空気を入れてみる。口金もクランプ式で外れること数回。 

 

完璧といかないまでも、1時間は走れるであろう位の空気を入れる事ができた。

 

 お礼を言って 足早にコースに復帰する。急いでいたので、折鶴も渡さなかった。

 

後ろで、”おまえのナンバーを教えてくれ!” との声が聞こえる。

 

 伝えておいたので、トラッキングを見てくれてたのかもしれない。

 

 

 

空気がPCまでキープできる保証はないので頑張って進む。

実際は1時間ほどだったらしいが、、、

 

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 フランスでは、柔道は人気スポーツだ。

と思ったけどそんなはずはない(思考力の低下)

 アレイ・ベンジャミンさんの応援看板だろうか?

 

 

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 いよいよ日も傾いて来た!

 

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もう少しで4桁の世界へ。

 

 

 

 

そしてようやくビレンヌの街へ。

 

 

 

 ここのPCの歓迎っぷりは、自分がツールの選手になったかのよう!

 

 私の動画ではないですけど、雰囲気を感じて欲しい。

時間帯によっては、もっとにぎやかなようだ。誰のレポートを読んでもビィレンヌのpcの盛り上がりが一番凄いと書いてあり、確かにそうだった。

 

www.youtube.com

 

素晴らしい盛り上がり!!自分がプロツアーを走っているかのように思える。

 

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1時間ほど、空気が抜けていくタイヤと戦った為か、長く感じた1時間だった。

 

 

このまま走るのは、無理そうな感触だったので修理を心に決める。

 

 

盛り上がりもそこそこ、テキパキと!!

 

 

 

Villaines LJ pc11

(20:46) 1011.8km 75:13 (59min)

 

 

18:16クローズなので2.5時間の借金だ。(プラス滞在時間なので本当は3.5時間)

 

 

おかしい。

 

借金が増えている!

 

 

この頃から、今夜は寝ない覚悟を決め始める。

 

空気が抜けたタイヤは確実にアベレージを落としてくれた。

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街の人は盛り上がっていたけど、私の心は重い。

 

さしあたり、PCでスタンプを頂き。

 

一息つく。

 

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フランが食べたかったけど、無いとの事。

またしてもリンゴ攻め!

 

今見ると明らかにカロリーが足りない。焦りと思考停止が始まっていたのかもしれない。

ドリンクも買っていないようだ。

 

 

帰国してから知ったが、道の反対側にレストランがあったらしい。

 

 

メッセージをチェックすると石井君が、フリーのトラブルで途中で止まっているらしい。

2人ともに後ろに居ることに驚いた。

自分も借金しているこの状況で、二人とも苦戦しているようだ。

 

 

胃の動きが止まるお尻が痛いとか、600では出なかった問題がこのあたりでは出てくる。

 

4桁ブルベの難しさはこの辺にあるのかもしれない。

 このあたりは、トレーニングではなくて実践あるのみ。

 

ブルベのトレーニングはブルベでしかできない。とは、ばるさんの言葉だが、よく表していると思う。

 

 

持っているスペアタイヤと換えるか、思慮しながら食べる。

 

 

タイヤを換えたところでチューブレスは、エア漏れが落ち着くまで時間がかかる。

いつものブルベのように空気を足しつつはしるブルベは今回は苦しい。 

やはり、修理続行なのである。

 

 

食べて、出口側のメカニックサービスへ。

 

 

 

カニックサービスは、ひっきりなしに忙しい。

 

前の人は、ちょうどホイールのトラブルで新品ホイールは数百ユーロだ。

街のATMはあっちだ!

と説明を受けているところだった。

 

 

そりゃ、ホイールが売っていたら買うよ。

PBPの認定がかかっているんだから!!

 

 

無言の裏には、そんな気持ちが見える。

彼はATMに走っていった。

ブルベ中にホイールを買う人を見たものは少ないであろう。

 

 

 

パンクなら、こいつだ!

 と勧められたのは、缶入りのパンク修理材だった。

 

 

既にシーラント入ったチューブレスには、効かないだろう。

IRCでも出しているが、シーラントが入ったタイヤでもOKなのだろうか??

 

 

そう思ったが、やり取りをするのが面倒だったので入れてもらう事に。

やはり脳が疲れていたのかもしれない。

 

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座って待ってろと言われ、また他の修理に取り掛かるムッシュ

 

座って少し待つと、ムッシュがパンク修理材を入れてくれた。10€位だったような。

 

 そして、穴から出てくる白いムース。

 

2回ほど空気を足しても、やはり噴出は止まらない。

 

 

 

 

 

 

ここで、決断した。

 

手持ちのチューブを入れてもらう事にした。(今思えば買えば良かった)

 

 

振り返れば、ここで新品のタイヤを導入すると、、、

 のちの展開が楽になったのかもしれない。

 

ドルバックの奥底に持っているのだから。

 

 

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 終わらない修理と過ぎていく時間。

 

 

目を閉じて椅子に座りながら、今夜の事を思う。

 

確実に寝れない。

眠れる時間があっても、眼が覚める自信がないし、起きて走り出す自信がない。

 

 

 

もう外は、暗くなりつつある。

本来なら貯金ができて睡眠にあてれるはずだったのに。

 

 

 今日は朝からそれを目指して頑張ってきたのだが、ちから及ばずいつもの状況になっている。笑

 

 

ムッシュは、丁寧にシーラントを拭いてチューブを入れてくれた。

 

ありがたい。ありがたい。

 

 

お礼を言って出発する。

 

 

 

 

すこし、寒さを感じるがまだ耐えられる気温。

 

この借金生活から早く脱出しなくては、、、

 

 一抹の不安を抱えながら、義務感に似た気持ちで

 

 

まだすこし明るい西の空を背に 暗くなりつつあるパリへの道へ 漕ぎ出していった。

 

 

 21:45

 

 

 

blanc-upas.hatenadiary.com