Blanc upas vélo équipe ​

ブルベを走っているときに感じる「ロングライドとグルメの相性の良さ」。ランドヌールやランドヌーズと時間を共有する心地よさ。Blanc upas vélo équipe ​ は、この「心地よさ」を共有できる世界で唯一のフィクションクラブだ。

paris-brest-paris Randonneurs 2019  4.Tinteniac (360.6)からLoudeac (445.3)

  • 4.Tinteniac (360.6)からLoudeac (445.3)

時刻は14時過ぎ、カッコよく走り出したが、 起きてからもう24時間活動している。

 

奴が出てきた。

 

 

そう、睡魔だ。

 

 

無理もない、あと4時間も走れば24時間走り続けていることになる。

 

 

満腹になって眠くなったので、バス停裏の芝生で昼寝する。

 

 

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バス停の広告もオシャレ!

しかし、環境が良くなく、少し横になった程度。

 

走っていて、眠い時に倒れこむようにして寝るのはタイムロスが無くて良い気がする。

 

 

目を瞑り横になるだけで脳が休まる感覚がある。 

あまり良く寝れなかったが、30分ほどでリスタート。

 

 

同じ風景が続くが、メドレアックの立派な教会を眺めたり、街並みを見るだけで非常に楽しい。

 

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途中、クディアックの街でこのコース唯一の踏切を超える。

 

WP(wellcome point)を過ぎるが、PCではないのでスルーする。

念のためスタッフに

 

”CONTROLL??”

 

と聞いてみたが、

 

”NO CONTROL!”

との事。

 

やはりWPのようだ。

 

お礼を言って先を急ぐ。

 

 

  

街をすぎると、左折してバイパスのような広い道(D166)に出て、右折してまた細い道へ。

 

 良く北海道の景色と似ている事を言われるが、ここまで丘の襲来と地平線を感じる道はあまりない気がする。

 

北海道は平らな道が多い。

 

 

こんな道は道東の一部にあるくらいだろう。

 

最も北海道らしいのが道東な気がする。

 

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この道では、日本では見れないものが見れた。

 

 

あのセガのキャラであるヘッジホッグ!!!

 

 

アイツが、轢死体となってペラペラで横たわっていた!!

 

 

野生のハリネズミが居る事も驚き!!

 

であるが、それが干物になって横たわる。

 

 

絶対に日本では、ハリネズミの煎餅なんて見る事のできないものであろう。

 

あとは、見る事が出来なかったがなめくじが馬鹿デカイらしい。

 

 

なお、轢かれたてのほやほやの丸々とした奴も1体。

 

あれは、踏んだら落車する厚みだったな。 想像してたよりもデカイ!

もしかしたら、自転車に惹かれて死んだのかもしれない。

 

 

意外と見れるようで見れないもの。

 

それが、ロードキル

 

北海道でもキツネ、鹿はたまに見る事ができるが、シマリス、カブトムシ、ヘビ、ウニ、昆布は珍しい。

 

 

ひそかな楽しみ??である。

 

 

 

 

この道沿いには、ところどころに私設エイドがあり、フレンチのかわいい子供がたくさん居た。

 

惹かれつつタイムロスを嫌って水が切れるまで、自分は停まらなかった。

 

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水が切れてしまったので意を決して止まる。

 

挨拶して、水を頂く。

 

テーブルには、  採れたてのプラムがあり頂く。

 

うまい!

 

確信したが、フルーツが旨い!!

 

北海道と同じく寒暖差がおいしいフルーツを作るのだ!

 

他の方のレポートを読むと平たい桃がうまいらしいので、次回に宿題にしたいと思う。

 

 

そして、マドーレーヌを食べた記憶。 (カルフールでも見たが、大袋のマドレーヌは個別包装もありお土産に良かった。しかもお手軽なお値段だった)

 

座らずにリスタート。

 

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しかし、自宅の前をPBPが通るなんてちょっと羨ましいと思ってしまう。小さな子供の頃から大人になるまで4年に一度のお祭り!

 

自転車文化はこのように 育まれていくのだろう。

 

 

後、気が付いたのは子供の多さ。道端でもPCでもたくさん見る事が出来た。

先進国ではいろいろな理由から、出生率が下がるのだが、フランスでは様々な政策で出生率を上げる事に成功してた事を知った。子供は国の宝だね。

ほんと、日本はヤバイ状況になりつつある。

 

 

遠くの太陽が随分下がった気がするが、日差しは相変わらず強い。

 

 

このあたりでN&Nさんを大集団のパックで目撃する。

何となく付いて行ってみるが、たぶんN&Nさんは気が付かず。

出発前には香港デモで空港が閉鎖されヤキモキしていた。キャセイパシフィック航空でのトランジット)

 

会話することもなく見失ってしまった。若干無表情のように見えた。

 

ここまでほぼ丸一日のライドをしているから、そんな元気なハズもないのだが、、、

 (後で聞いたら非常に調子が悪く、物が食べれない位だったらしい)

 

 

普段のブルベでは速すぎて遭遇することは稀である。

 

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メネアックの教会



ゆっくりと落ちていく太陽を正面に見ながら、ルディアックに向かう。

 

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向こうから、2人のパックが来てすれ違う。地元のサイクリストとはじめは思ったが、フロントにはナンバープレート!

先頭集団が既にブレストを折り返してきたのである。800キロ走ってあの力強い走り!やはり、格が違う。しかし、そこに三船さんの姿は無かったが、この後にすれ違ったようだ。

三船さんのPBP2019はこちら

https://cyclist.sanspo.com/487674

 

 結局ルディアックに着くまでに20人ほどとスライドした。

 

 

Loudeac pc4

(20:22) 445.3km 26:48 (7:51)

 

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20時過ぎてこの明るさだから変な感じがするが、ようやく400ブルべが終わった。

 

 自転車を止めてコントロールまで歩く。

 

次のカレまでは76キロある。

 

ここには案内所があり、カレにシャワーがあるのか?聞いてみたが、わからないという。

 

とりあえずコントロールで、スタンプをもらう。

 

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クローズまでは、余裕がある。

疲れは、心配するほどでもない。

しかし、寒い朝方までに少しでも距離を稼いでおきたい。

でも寝る前にはシャワーを浴びたい。カレにシャワーがあれば行こう!

 

案内所に戻っても一度、カレにシャワーがあるか?と聞くと、少し待ってろ!

 

と、わざわざ聞きに行ってくれた。

 

しかし、なかなか帰って来ない。

 

時間だけが過ぎていく、止まっている時間が長いとますます体が重くなっていく。

 

結局、カレにシャワーはあるとのことだったが、自分の気持ちは”ココで寝る”に決まってしまった。笑

 

とりあえず、お腹が空いたので何か食べることにする。コントロール横にはレストランがあったが、すぐに食べて眠りたかったので、階段を降りたステージ前のバーに行く。

 

ステージに向かう途中に石井君に会ってディナーに誘う。

元気そうで何より。

 

ステージの前には、出店があり、フレンチフライドポテトがうまそうだった。

そして、肉肉しいガレット。

 

メニューは決まった! 

 

ここもトークンが必要なようだ。

離れたバスで、いつものトークンを手に入れて店員さんにシルブプレする。

 

異国の音楽を聴き、旨いものを食い、初めて見る景色にうっとりする。

 

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そうそう、これが旅なのだよ。ランドヌーリングを感じる瞬間なのだ。

 

石井君は来なかったので、連絡すると疲れてベッドルームに向かったようだ。

 

こうしてココに居るのはフィニッシュの為、その為に各自必要なことだけをすればよいのだ。

 

ブルベ中の時間は、貴重なので仕方あるまい。

 

ここで盛り上がって寝れなくなるのも本末転倒。

 

やはり、ポテトがうまい。 テーブルソルトをたっぷりかけて頂いた。

 

滞在中は、マック、PC、バーガーキング等でポテトを食べたが、すべてがカリカリに揚げられており、

 

これが、”フレンチフライド”ポテトなんだ。

と、妙に関心してしまった。

 

日本のは、揚げる時間が足りなくて水分が抜けきっていない。

 

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シードルは、上品な味を想像していたが、酒臭い漢らしいリンゴの”酒”だった。ドライでガツンとくる味。といえば伝わるだろうか?

 

間違いなく、日本では飲めない味だと思った。香りもあまり立っていない。

 

酒飲みは、こういう味が好きなんだ!と思いつつ。

おいしくいただいた。

 

自分が買った後には、ポテトは品切れになり。何人か買えない人がいたようだ。

このあたりもフランスらしい。

余ってしまうよりは、良いよね。

 

 

ガレットも脂が少なめでおいしい。牛肉のソーセージがこちらのスタンダードのようでドイツ式とは違った味わい。

 

補給が上手くいっているおかげか、空腹感もそれほどでもない。胃腸のためには、このくらいで仮眠した方が良いだろう。

 

起きてからがっつり食べるとして、そろそろ寝る算段をする。

 

そろそろ、薄暗くなってきており若干寒いが、シャワーを浴びたいので3ユーロ?ほど払ってシャワールームへ。

 

そして、歯を磨く。

 

2015は紙のバスタオルを貰えるようだったが、今回は不織布の新品のものが貰えた。

 

着替えスペースの奥には、”female→”の表示があって、その奥には秘密の花園が!?

 

 ヒトに気配はなかったような??

問題は、その通路からmaleの脱衣が丸見えな事。笑 

 

まあ、おおらかな国民性を表している。

 

 

 

シャワールームの中に入るりバルブを回せば天井からぬるいお湯がちょろちょろ出てくる。ちょっと温度低いけど暑い風呂に入る習慣もないのかもしれないフランスのひと、これで十分なのだろう。

 

本当は、もっと熱いお湯が欲しいが仕方ない。

 

パスポートと貴重品、ブルベカードは、いつものケースに入れて壁のフックに掛けて常に見ながらシャワーを浴びた。

ここで、こいつを失うわけにはいかないのだ。

日本に帰れなくなることより、自分のPBPがここで終わってしまう事が悲しい。

 

 

床にはシャンプーとボディーソープのボトルもあった。  

せっかく自前で用意したのでそちらを使う。

フランスのソープは、なぜか泡立ちの悪いものばかりだった。 硬水のせいだろうか?

 

 すっきりしたのでリラックスウエアを着てベッドへ向かう。

 

一度外に出ないといけないのだが、気温は15度くらいで寒い。

 

 

受付で5€の料金を払い案内されたのは、快適なベッドマットだった。

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帰って来てから知ったのだが、残り半分のエリアは、コットで寒かったらしい。

自分もコットを持っているけど、暑くて寝れない時は快適だ。

 

しかし、寒いときはロフトがゼロなので背中=気温となってしまう。今回の気温だと、かなり寒かったのではないだろうか?

 

モバイルバッテリーからbeelineやらiPhoneを充電し、ブルベカードと貴重品(パスポート)は首から下げ、飛行機でGETした耳栓とアイマスクをし、備え付けの毛布をかぶると即座に意識が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

3:00にiPhoneの目覚ましで起床する。ボランティアスタッフが、お向かいさんを起こしていた。

良く寝れた気がする。 

 

しっかり寝たので、眠くもないし脚もダメージはそんなに残ってない。

おそろしく快適な睡眠だった。

周りのベッドは満床に近い。その場でウェアに着替えて寒さに備える。

 

寒さ対策にスリーブは、ウインドストッパーにした。ジャージは、POCのグリーンに。 朝方はかなり寒いだろう。

 

とりあえず、荷物を詰めたバッグを持ってトイレに向かう。

 

ステージ前のトイレには、少し列ができていたがすぐに入れそうな状況。

ボランティアの方が清掃してくれていた。かつ目の前でペーパーを補充してくれた模様。空港でよく見るこのデカイロールのもの。

 

ピカピカのトイレで、すっきり。

 

そして、千切れる紙。

 

え??笑   

もう笑うしかない。

 

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スマートワンじゃねーよ! フランス品質!

中央の黒い所の中心からペーパが出ていた。

 

幸い日本製の素晴らしい紙が手持ちであるのでそれで事なきを得た。期間中で自前の紙を使ったのはここだけだった。

 (先輩からのアドバイスで紙を持っていけとの話があったので)

 

手洗い場でボトルに水を補給し、レストランでまともなものを食べる。

食わないと食べ物が手に入らないかもしれないし、何よりお腹が空いた。

並んでオーダーしていくが、やはり取りすぎてしまう。

 

 

ココで、私の番よ!!と詰め寄るキツメの白人女性がいた。

 

いやいや、ディッシュが出てくるのを待っているのだから、先に会計しても良いでしょうに??あなたの前は空いているんだし。

 

他の人のレポートにも似たような人が出てきていた。が同一人物か??

 

450キロも走ってくると余裕がない人は、イライラしているようだ。

 

限界を超えた人もいるだろう。

余裕がなくて楽しめない人もいる。

 

聞いた話によると、結構罵声が飛ぶシーンがあったそうだ。

限界の向こう側に来てしまったのかもしれない。

 

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オレンジジュース(ミニッツメイド)が旨い。1本でも飲み足りなかったので追加で買う。

気が付かなったが、少し脱水気味だったようだ。

逆に水分を摂りすぎて夜中に寒いトイレに行くよりは、良かったと思うことにする。

 

 

走ってる時も水こそたくさん飲めるが、ナトリウムやミネラルが不足してしまうので、やはりポカリの粉などがあったほうが良いと思う。

 

水を飲んでもすぐに出てしまう場合や、頭が痛い場合は、ナトリウムが足りない場合が多い。

ポテトの塩だけでは、足りなかったようだ。

 

空気は乾燥しているようだ。

 

 

しっかり寝たので体も軽い。 鳥のささみがパサパサで飲み込むのに苦労する。あまり美味しくなかったが、プロテインはしっかり摂っておく。

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時刻は3:17


 

食べながら、タイムスケジュールを確認していく。

 

睡眠で貯金は、すべて消化!いつもの借金生活に入っていく。

 

クローズの時間は、やはり過ぎている。

 

46キロ先のサン・ニコラの仮想クローズが40分前。2:40くらいなので3時間ほどの借金だ。

 

ブレストまで150キロほど、往復ゆっくり走ると20時間だろうか?

 

 

朝の時間は、寒いので走りたくない。

しかし、そうも言ってられない状況なので、もぐもぐして走り出す決心をする。

 

 

 

今日は、どんな一日になるだろうか?

 

ロック プレベェゼルを超え、ブレストの地に至り、プレガステル橋を拝む。

 

何度も読み込んだ話の中に自分が登場しているのだこれほど楽しい体験はない。

 

雨具プラス、ダウンの防寒装備で漆黒の闇へと漕ぎ出していく。

 

あと2時間もすれば太陽が昇り、自転車人生で最高の一日が始まるはずだ。

 

 

 

blanc-upas.hatenadiary.com